独学でも最短で英語をマスターする方法

独学

なぜ日本人は英語をマスターできないのか

「英語がペラペラ話せたらなぁ」

多くの方がそう感じていても、ペラペラ話せるレベルにたどり着く人はあまり多くはありません。
日本人の英語苦手っぷりはデータでも示されています。

EF 英語能力指数2017という世界ランキングによると日本は90か国中37位。

「あれ?悪くないじゃん」と思うのは早計です。
日本から下には、中南米・東南アジア・アフリカ圏の「発展途上国」ばかり。そもそも教育整備が十分でない国が多いのです。

日本がこのランクにいる理由、私は「受験勉強」にあると考えています。

受験英語は「英語学」の知識を競うようなもの。「使える」という意味で英語をマスターするためには、別にもっと良い方法が存在します。

今回は、18歳で米大学に入学して、受験勉強とのギャップを感じながら正しく英語を身に着けてきた私が、独学での英語マスターへのポイントと勉強法をお伝えします。

この記事を書いた人
牧野隆幸
​牧野 隆幸(まきの たかゆき ) シニアトレーナー

大学・自治体プログラム TOEIC講師として登壇。純日本人の英語トレーナーとして、一般企業や国際的な交流協会に勤務・従事しています。少人数制グループをメインとしながら計400人以上の方々に英語をお教えしてきた私が、実践的な英語学習法をご案内いたします。

大学受験の勉強から脱却!上達を促進する3つのポイント

受験英語からの卒業

「真面目さ」を追究しないことが英語マスターへの第一歩

突然ですが、あなたが「受験英語病」に掛かっていないかどうか診断してみましょう。

・英語から日本語にキレイに訳せないと気が済まない
・英語の文章を見ると単語の意味や文法構造が気になる
・一つの英文を90%~100%のレベルで突き詰めて理解しないとモヤモヤする
・英会話をするときに、単語や文法が気になって結局あまり話せない

1つでも当てはまったなら、「受験英語病」の可能性があります。

うすうす感づかれているとは思いますが、使える英語をマスターするためには、この勉強的な「真面目さ」は必要ないことがほとんど。

「ふーん、そういうもんなのか」
「日本語でも曖昧なところってあるもんね」

これくらいの60%~80%程度の理解で、どんどん次に進んでいける人が英語マスターに近づいていける人なのです。

語学のマスターに究極的に必要なこと、それは「数をこなす」こと。
数をこなしていった先に、残りの20%~40%を埋められるヒントが出現することなんてよくあることです。

まずはこの「受験英語病」から意識を解き放つことが、日本にいながらにして英語力を上げる第一歩。
では次に、英語マスターに必要な意識の3ポイントを見ていきましょう。

上達促進のポイント① 間違いを恐れないこと

受験英語病の症状として「間違うことを恐れる」ことが挙げられます。

「間違ったら恥ずかしい」
「伝わらなかったときの外国人の眉をひそめた顔、耐えられない」

そのお気持ち、すごくよく分かります。
ですが英語は「失敗なくして成功なし」なのです。

そして何といっても、ネイティブだって間違うのです。
受験は一度間違ったら回答を直すことはできませんが、コミュニケーションなら何度でもやり直すことはできます。

また、間違うことが記憶の定着や修正力に繋がります。むしろ間違ってからが本番だと考えてください。

英語をどんどん間違えて、間違いに対する免疫力を高めること。それが英語マスターに必要な条件の一つなのです。

上達促進のポイント② 我慢強く継続すること

英語をマスターすることについて、私がよくお話する例えがあります。

「水をコップに注ぎ続けて、コップからあふれ出たタイミングが英語をマスターしたタイミングだと考えてください」

英語学習者のお話で「ある日急に英語が聞けたり、話せたりするようになった」ということを聞いたことがあるかもしれません。まさしくこのタイミングが「水があふれ出た」ときなのですが、コップから水をあふれさせるには水を絶えず注ぎ続ける必要があります。

お気づきのとおり「水を注ぎ続ける=英語を学び続ける」ということです。

学習している中では成長に気付きにくいので、途中で諦めて英語を止めてしまう方もいますが、そこで歩みを止めずにしっかり継続して学習することが大切。

我慢強く続けていれば、ある日突然「あれ?英語がすごく聞き取れる!」という日がやってくる瞬間に出会うことができます。

上達促進のポイント③ 質問力を上げること

質問力と言っても、誰かを「良い質問ですね~!」と唸らせるスキルを上げる必要はありません。

ここで言う質問力とは、相手の英語を理解できなかったとき、恥ずかしがらずにしっかりと聞き返すための質問ができるかどうか、という力を指しています。

下に挙げたような英語の質問フレーズを覚えることも重要ですが、もっと重要なのは「質問することをためらわないこと」です。

その場で知ったかぶりをしたことが原因で、後々になって影響が出ることはよくあります。たとえ相手の英語を全く理解できなかったとしても、あるいは一部しか分からなかった場合も、とりあえず質問してみましょう。

【全く理解できなかった場合】

・Could you say that again?
(もう一度言っていただけますか?)

・Could you speak more slowly?
(もう少しゆっくり話していただけますか?)

・Could you use simpler words?
(もっと簡単な言葉を使っていただけますか?)

【理解があやふやなので確認したい場合】

・Do you mean to tell me that ~ ?
(~ということを伝えようとしているのですか?)

・Are you saying that ~ ?
(~ということを言っているのですか?)

質問力を高めていければ、会話が終わらないように絶えず展開させることもできますので、将来的にも心強いスキルとなってくれます。

英語をマスターするためにも分かったふりして“Yes. Yes!”と言ったり、分からないからとりあえず“I don’t know”と断ったりするのを止めて、ためらわずに怖がらずに、しっかり質問してみましょう!

上級者になるために必要な時間・期間

英語習得までの時間

英語をマスターするのに必要な時間

日本人が英語をマスターするのに必要な時間は3000時間と言われています。

「そんなに多いの!?」という数字ですが、幸いにも私たちは中高の英語の授業で1200時間を費やしてきたとされるので、残る1800時間という時間が英語マスターへの道のりということになります。

仮に毎日2時間しっかりと英語を学べば、2年半後には1800時間をクリアできる計算です。

単純な計算ではありますが、英語をマスターする道のりは終わりのない旅などではありません。コツコツと積み上げれば、その先にあるゴールにたどり着けるはずなのです。

仕事の合間にある「スキマ時間」を活用する

仕事のある社会人は特に、2時間をまとめて確保するのはなかなか難しいですよね。

そんなときはコマ切れの時間でも構いません。1日の学習時間が合計2時間に到達できればいいのです。
例えば、「通勤の1時間」「朝のジョギング30分」「お風呂の20分」「トイレの10分」など。ほら、これだけで2時間捻出できました。

もちろん机に向かって集中できる時間があるとベストですので、「土日はガッツリ英語の勉強」という時間を確保できると更にマスターへの道は短縮できます。

英語学習は毎日の継続が大切です。

「どうやったら1日2時間を積み重ねられるか」ということを日々の目標にして、その目標をクリアすることに楽しみを持つ気持ちでチャレンジしてみてください。

毎日の継続の為には勉強スタート前のプランニング作りがとても有効。以下の記事にプランニングのポイントを記載していますので参考にしてください。

英語は短期集中で伸ばす!とっておきの学習のコツ。

留学という選択肢は非常に有効

もし時間とお金に余裕がある方であれば、留学という選択肢は1800時間をクリアしていく方法として最善のものでしょう。

日本にいると英語漬けの環境を作るのは難しいですが、留学してしまえば否応無しに英語しかない環境が用意されているのです。

1日で起きている時間の18時間を全て英語に費やせるとしたら、100日もあれば英語マスターになれる可能性は十分にあるのです。

また、留学をすると、日常会話でよく使う生きた表現に触れられるのはもちろん、国の文化や人間性など、その国に行かないと得られない貴重な経験・体験が得られるのも大きなメリットです。

おすすめ勉強法でマスターへのコツを掴む

おすすめ英語勉強法

会話やリスニング教材を真似る

英語をマスターするといえば、やはり英会話。

ただ、いきなりネイティブと英語で話すというのはハードルが高いかもしれません。上で書いたように英語を学ぶにあたり「失敗すること」が大切な一方で、失敗ばかりで「英語=嫌なもの」という意識が染みついてしまう結果になっては逆効果です。

そこで気軽に毎日できる学習方法が、英語音声を「真似る」こと。

赤ちゃんがお母さんの言葉を必死に真似るようなイメージです。
はじめのうちは、英語を理解できるか・上手く話せるかどうかは置いておいて「耳に聞こえてきた音をそのまま口に出すトレーニング」をしてみてください。

音声のレベルとしては、リスニング教材なら「これは簡単かな」と思えるレベルがベターです。
耳では簡単に捉えられても、口を動かして再現する場合は少し難易度が上がるので、簡単だと思うくらいがちょうどいいのです。

ご自分の部屋で大きな声で発声できると理想的ですが、通勤中などのスキマ時間を使う場合は、口パクでも一定の効果は上げられます。

意味の暗記はNG!単語と熟語は「発音」と「イメージング」に集中する

受験英語では、単語や熟語は意味を暗記しがちです。
暗記によってインプットされた英語というのは脳に蓄えた知識でしかなく、実践の場で使う英語としてはあまり向いていません。

実践英語をマスターするためには、暗記とは別の英語トレーニングが必要です。

例えるなら、「スポーツの知識だけあっても、試合で上手く動けるわけではない」というところでしょうか。

英語をマスターするためには、口を動かしてアウトプットすることが欠かせません。
学生時代に「暗記しなきゃ」と意気込んでいた英単語や熟語を定着させる場合にも、口を動かして声に出すことが大切。

イメージングで記憶を定着

さらに定着させるのに効果的なのは、私が「イメージング」と呼んでいる定着方法。
簡単にいうと「連想ゲーム」です。

イメージングとは、1つの英単語から連想できる関連人物や関連事象を、画像・動画・感情として「イメージ」を思い浮かべて、その単語と結びつけることで定着を図る方法です。

たとえば「complain:クレームをつける」という単語を覚えたいときは、complainから自分が連想できる人物や事象を思い浮かべてみましょう。

私の勝手なイメージですが、complainからイメージするのは「ちょっとリッチそうなオバちゃん」が「高価な買い物をした」時に、「傷がついているのを発見して『クレームをつける』」ようなイメージ。

イメージは人によって様々ですので、ご自分ならではのイメージを連想してみてくださいね。
この方法のメリットは単語の意味を日本語で覚えることから脱却できるため、「英語を英語のまま理解する」ことに繋がることです。

単語の丸暗記から脱却をするために、英語を学ぶ際には「イメージング」をオススメします!

勉強しなくていいものは「文法・長文・スペル」

時間を有効に使うためには、勉強しなくてもいいことに時間を割かないことが重要です。

勉強しなくていいものというのは、受験英語で必死に勉強したのに実践英語に役立たなかったもの(=英語マスターの為に不要だった要素)を思い浮かべればOKです。

まず文法は、中学生で学んだレベルのことが分かっていれば、英会話レベルの内容であればほとんど問題ありません。英会話で文法の壁にぶち当たることはレアケースです。

長文の読解勉強や、単語のスペルを必死に覚えることも、英語学習の序盤にはあまり必要のないステップです。長文とスペルは、英語マスターへのプロセスとして最後の方にやっておけばいいものです。

英語マスターへの道の前半部分を大きく占めるのは、上にも書いたように「口を動かす」こと。

ここで書いたおすすめの勉強法をもとに、英語をマスターするためのトレーニングをぜひ行ってみてください!

息抜きに映画や動画で英語に触れる

英語勉強の息抜き

英語のマスターのためには、時には息抜きも必要

英語の勉強がよっぽど好きな方は別として、英語を続けていくうちにどうしても飽きが来てしまうことがあります。そういうときは、気分転換をすることも大切です。

ただ、せっかく英語を学んでいるのであれば、映画やYouTubeを英語で観たり、好きな洋楽を口ずさんだり、英語に関連した息抜きをしてみましょう。

リラックスした状態で英語に触れることで、「あれ?英語が意外に理解できてる」といった感じで、ご自分の成長に気付けること少なくないですよ。

おすすめ鑑賞法は「3回観る」

私がおすすめしている映画・動画の鑑賞法は、同じ作品を下記のように3回観ることです。

①英語音声・日本語字幕で観る
②英語音声・英語字幕で観る
③英語音声・字幕なしで観る

①はストーリーを把握するためなので、すでに過去に観たことがある作品であれば、②から始めるのもいいでしょう。
また、映画のように長いものは、必ずしも1日で3回観る必要はなく、何日かで分けて観てもOKです。

この方法のメリットは、リスニング力が上がるのはもちろん、映画の内容を日本語から英語に切り替えて理解しようとする力を働かせられることです。
つまり、英語を英語のまま理解することに繋がるトレーニングなのです。

初めのうちは、映画であればアニメやコメディなど英語が分からなくても内容が把握できる作品や、動画であれば10分程度の集中力が継続しやすいようなものから挑戦してみましょう。

動画を観るならやはりTED

英語をマスターしたいという方には、ぜひTEDを使って学習していただきたいです。

TEDをおすすめしたい理由は、

・10~20分の動画が多いので気軽に観られる
・字幕を日本語・英語に変えられる
・台本(transcript)も日本語・英語のものが用意されている

そして何より、特に社会人にとってタメになる話が多い!
※私のお気に入りはSimon Sinek氏の”How Great Leaders Inspire Action”

上で書いた「3回観る」鑑賞法はTEDでも適用できます。さらにスピーチの台本が閲覧できるので、そのテキストを見ながら声に出してスピーチを真似るのも良い学習法です。

20分の動画を3回観ても1時間。私は長風呂したいときに湯船に浸かりながら3回観ています。TEDを習慣的にご覧いただき、ぜひ英語を学ぶとともに、素晴らしいスピーチに触れてみてください。

まとめ

成功のまとめ

今回のまとめは、

・英語をマスターするには、勉強法も、意識の上でも受験英語から脱却する
・上達促進の3ポイントは、
 - 間違いを恐れない
 - 我慢強く継続する
 - 質問力を上げる
・英語を学ぶときは口を使う
・気分転換するときは英語の映画や動画で

いかがでしたか?

正しい意識と正しい勉強法を身に着けることができれば、独学でも英語マスターに近づくことは可能なのです。

ぜひ皆さんも英語をマスターして、英語が苦手な方が多い日本の中で重宝されるような人物になりましょう!

「英語が話せない」には
必ず明確な理由が存在する

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多くの日本人が直面している「英語が話せない」という悩みの根本的な原因。 それは「話すこと」の大切さを無視してきた日本の英語教育、つまり受験英語にあります。 誰もが学生時代に苦労したであろう、単語の暗記・綺麗な和訳・難解な文法。 このどれもが「話すための英語学習」には何の役にも立ちません。 その証拠として、受験英語型の学習法でペラペラになった人は残念ながら存在していないのです。 この事実に薄々気づきながらも、学生時代の英語学習法から抜け出せない。 あなたもきっとその1人なのではないでしょうか? 私たちに必要なことは、受験英語型の学習法からいち早く抜け出して「正しい英語学習法」を身に付けること。 これを知っているのといないのとでは、英語の勉強効率に雲泥の差が生まれます。 イングリッシュベイ青山が発行する公式LINEマガジンでは、正しい「英語学習法」とその具体的な「実践手段」について全無料で解説しています。 勉強しているのに一向に英語が話せるようにならない。 学習に時間とお金を費やしているのに英語が身に付いていない。 そんな悩みを持ちながらも、 「それでもやっぱり使える英語を身に付けたい」 「短期間で実践的な英語をマスターしたい」 「1年後に英語がペラペラの状態になっていたい」 などといった想いを抱いているあなたに役立つ内容です。

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