ビジネス英語の各場面に完全対応!「使える」メール例文集27選

英語 メール

英語でメールを送るとき、必要以上に時間が掛かっていませんか?

そもそもビジネス英語のメールなんて、意外に誰も教えてくれないものですよね。
しかし過去のメールなどからコピペばかりしていると、いつまでも英語力を伸びないことを薄々感じているはず。

実は私も英語メールはコピペから始めました。
しかし「これはいかん!」と試行錯誤を繰り返し、今では海外省庁に大臣のアポイントのお伺いをメールで送るレベルまで、ビジネス英語を上達させました。

途中で気付いたのです。
わざわざコピペしなくても、「型にはめればメール作成は簡単」なのだと。

まずは、これからお伝えする「型」をコピペせずにタイピングして使ってみてください。
そして慣れてきたら状況に応じて単語をあてはめたり入れ替えたりするだけでいいのです。

少しの労力で、使えるビジネス英語を定着させることは可能です。
最初に努力して「型」を覚えてしまえば、あとは楽に、そして自在にメールを操れる自分になれるのです。
格言を借りれば「型を知れば百戦危うからず」です。

では例文を通して、ビジネス英語のメールの書き方を見ていきましょう!

この記事を書いた人
牧野隆幸
​牧野 隆幸(まきの たかゆき ) シニアトレーナー

大学・自治体プログラム TOEIC講師として登壇。純日本人の英語トレーナーとして、一般企業や国際的な交流協会に勤務・従事しています。少人数制グループをメインとしながら計400人以上の方々に英語をお教えしてきた私が、実践的な英語学習法をご案内いたします。

「件名」:ビジネス英語のメールはここがポイント

英語 メール

件名のルール

英語でメールを書くことで頭がいっぱいだと、件名にまで気を回してなかった!ってことありますよね。
でも、ビジネスメールにとって「件名」はとても大切。

だからといって、件名に頭を悩ませなくても大丈夫です。
ポイントはたった2つのルールを守ること。

・本文の概要をシンプルに分かりやすく書くこと。
・前置詞と冠詞以外の単語の1文字めは大文字にすること。

ビジネス英語に限らず、件名は内容を瞬間的に把握できるのが理想です。
文字数は50文字以下に抑えましょう。

前置詞は”for, about, of, in, on, to…”などの、日本語でいう助詞にあたるような品詞です。
冠詞は”a”や”the”のことですが、件名では冠詞を省略しても構いません。

あまり意味を持たない前置詞や冠詞以外の単語を大文字にすることで、重要度を際立たせて見せることが目的です。

また、件名の先頭に以下のような単語をつけると、メッセージ性を高められます。


Urgent: 至急
Reminder: 再通知・催促
FYI: 参考までに (For Your Informationの略語)

例えば、

「Urgent: Cancellation of Order」(至急:注文のキャンセル)

という感じです。

では、ビジネス英語のメールに頻出する件名例文を見ていきましょう。

お願い

・Request for ~(~のお願い)

forの後ろには以下のような名詞が入ることが多いです。


Information(情報)
Confirmation(確認)
Quotation(見積もり)
Sending Invoice(請求書送付)

動詞にingをつければ動名詞となるので、forの後ろに当てはめても文法的にOKです。

質問


・Inquiry about ~(~についてのお問い合わせ)
・Question about ~ (~についての質問)

どちらも大きな違いはありませんが、Questionの方が直接的なニュアンスなので「答えてほしい」という気持ちがより強く感じられます。

aboutの後ろによく来るのは、


a New Product(新製品)
Your Service(事業サービス)
Meeting Information(ミーティング情報)

お詫び


・Apology for ~(~に対するお詫び)

本当は起こってほしくないケースですが、もしものときのためにお詫びメールへの準備もしておきましょう。

forの後ろにはお詫びする対象の名詞を当てはめます。


Late Reply(遅い返信)
Incorrect Attachment(誤った添付ファイル)
Product Shipment(製品発送)

お知らせ


・Notification of ~(~についてのお知らせ)

イベントや新商品に関するお知らせを出したいときに使います。

ofの後ろはまさしくイベントなどの名詞が来ることが多いです。


Our Exhibition(弊社の展示会)
Tomorrow’s Meeting(明日のミーティング)
Our New Product(弊社の新製品)

※英語では「会社=私たち」なので、会社を代表するような文章の場合は”We, our, us”など複数形の1人称を使います。

「書き出し」:定型の例文でサクッとスタート

英語メール

日本語のメールと同じ

日本語と同じく、ビジネス英語でもメールの書き出しは定型でOK。
ただし、日本語の「いつもお世話になっております」という表現は英語には存在しないので、以下の表現から適切なものを選びましょう。

定型の例文を使ってスムーズに書き出していければ、英語メール作成のスピードも加速させられます。

なお、書き出しの前に”Dear ○○,”のように宛名を書くことはお忘れなく。
英語も日本語も同じく宛名は必要ですからね。

挨拶

・It is a pleasure to have the chance to contact you.(はじめまして)

※直訳:ご連絡する機会を持てることが光栄です。

・It has been a long time since I last contacted you.(お久しぶりです)

※直訳:最後にご連絡して以来、長い時間が経ちました。

・I am Taro Yamada from ABC Corporation.(自己紹介)

※直訳:私はABC Corporationの山田太郎と申します。

メールを送るのが初めての場合や、久しぶりの場合は上のような挨拶から始めましょう。
冒頭の挨拶のあとは、ご自分の名前や所属を記して自己紹介。

自己紹介は“I am [名前] from [社名]”のフレーズを覚えておくと、会話文でも使えるので便利です。

お礼

・Thanks for your reply.(ご返信ありがとうございます)

「ありがとう」というお礼は、英語メールの書き出しでよく使うフレーズです。
「迅速なご返信ありがとうございます」と表現したい場合は、“prompt”という単語を使って“Thanks for your prompt reply.”と書けます。

件名にお礼の表現を使いたいときも、これくらいシンプルな文章でそのまま使える表現です。

・I appreciate your inquiry.(お問い合わせ、誠にありがとうございます)

“thank you for ~”でも十分伝わりますが、ビジネス英語としてさらに丁寧な感謝フレーズが“appreciate ~”です。

上の項目「件名」でお伝えしたものと同じく、「~」の部分に以下のような名詞を入れて使い分けてみましょう。


your cooperation(ご協力)
your effort(ご尽力)
sending information(情報をお送りいただき)

お詫び

・I am sorry for my late reply.(返信が遅くなりすみません)

ビジネスにおいて返信が遅くなることもあります。そんなとき英語で表現するならお馴染みの”I am sorry for ~”です。

カジュアルな英語表現なので、本当にシリアスな場面は以下の表現が好ましいでしょう。

・I apologize for the inconvenience.(ご迷惑をお掛けしまして申し訳ございません)

「お礼」で書いたのと同じように、「お詫び」にもビジネス英語として”sorry for ~”よりさらに丁寧な表現があります。それが“apologize for ~”です。

お詫びの際に「~」に入る単語は、以下の通り。


the mistake(ミス)
the trouble(トラブル)
the delivery delay(配達遅延)

「本論」:伝えたいことをシンプルに

英語メール

本論を伝える直前に事情説明

英語はストレートな表現と言われますが、それでも本論に突入する前には、本論の内容をサポートするような事情や背景の説明をしておきましょう。

状況によって事情や背景は様々なので、「コレ」といった例文を覚えるより、英語で説明するための心構えを理解いただいた方が、英語メールの書き方をマスターするには近道です。

心構えはズバリ、事情や背景の説明も「シンプルな英語で」です。

たとえば、「貴社の事業に興味があります」なら、

“I am interested in your business.”

(→本論「なので資料をお送りいただけますか?」)ですし、

「今月の請求書が届いておりません」なら、

“We have not received your invoice for this month.”

<
(→本論「なので、ご確認いただけますか?」)という表現です。

このように、中学レベルの英語でも説明は可能です。
事情や背景という「事実」を説明する際には、ビジネス英語にありがちな丁寧さは、あまり必要ありません。

ではシンプルに事情説明ができたあとは、例文を使った表現に落とし込んでいきましょう。

依頼


・I would like you to ○○. (○○していただきたいのです)
・Could you please ○○?  (○○していただけますでしょうか)
・Could you possibly ○○? (○○していただくことは可能でしょうか)

下に行くに連れてへりくだり度が上がります。
逆に言うと”would like you to”の表現は相手に確実にやってほしいときに使うのが効果的ですね。

○○には動詞が入ります。
今まで「~」には名詞を入れていたので、異なる品詞を入れることになるのでご注意ください。

依頼メールでよく使う、動詞表現はこちら。


confirm(確認する)
change the schedule(スケジュールを変更する)
send information(情報を送る)
tell me about details(私に詳細を教える)
make an estimate(見積もりを作る)

質問


・Do you have ~?(~はありますでしょうか)

上記の「依頼」の場合を除けば、メールで質問する場合は”Do you have ~?”をはじめとして、
“Is it …?”や、
“Did you…?”など、
事情説明と同様にシンプルな英語で切り抜けられることがほとんどです。

ここでは頻出しそうな”Do you have ~?”の「~」にあたる名詞の例を挙げていきます。


the data(データ)
a sample(サンプル)
a plan(ご予定)
an opinion(ご意見)<
any suggestions(何かご提案)
any solutions(何か解決策)
any preferences(何かお好み)

クレーム対応

クレームの対応はデリケートですので、ここだけはテンプレートとして1つの例文を記しておきます。
ただし、これもコピペせずに、できるだけご自分の表現として吸収できるように例文を参考にしながらタイピングしてみてください。

特に前半部分は今までお伝えした表現をベースに作成した英語なので、ここまでお読みいただいた方には難しく感じないはずです。


Thank you for letting us know about it.
We would like to apologize for the inconvenience.

「そのことについてお知らせいただきありがとうございます。
ご迷惑をお掛けしたことに対して謝罪させていただきたいと思います。」


We are looking into the matter.
I will let you know what we find out.

「ただいまその問題について調べております。
何か分かりましたらお伝えいたします。」

※あくまで例文ですので、ご自身の状況と合うかどうか日本語訳で確認した上でお使いください。

「締めくくり」:気遣いの一言を添える

英語 メール

本論を越えればあとは定型例文

ここまで来たらもう難しいことを考えることはありません。
ビジネス英語のメールに必要となる気遣いの一言を最後に添えるだけです。

ここではどんな場面でも使えるような例文を記していきます。
もちろん毎回同じ例文を使い回してもいいのですが、ビジネス英語に慣れるためにもぜひ複数の例文を使えるようにしてみてください。

返事を期待する


・I look forward to your reply.(お返事をお待ちしております)

メールの内容がポジティブなときによく使います。
ほぼ同じ英語表現に”I am looking forward to ~”がありますが、これは少しカジュアルな表現です。

ビジネス英語を使う場面では、上記の”look forward to”を使いましょう。

「幸いです」


・I would appreciate your understanding.(ご理解いただけますと幸いです)
・I would appreciate your cooperation.(ご協力いただけますと幸いです)

“I would appreciate ~”は「~していただけますと感謝いたします」という意味なので、日本語メールでもよく使う「幸いです」とほぼ同じ表現ですね。

ちなみに2つめの例文に”continued”という単語を加えて、
“I would appreciate your continued cooperation.”とすると、
「引き続きよろしくお願いいたします」と同義になります。

「ご遠慮なく・お気軽に~ください」


・Please do not hesitate to contact us if you have any questions.
(ご質問がある場合は、ご遠慮なくご連絡ください)

“Please do not hesitate”は直訳すると「躊躇しないでください」という意味。
この表現があると相手に返信しやすい印象を与えます。

あらためて感謝の意を表す


・Thank you again for ~.(~についてあらためてお礼申し上げます)

「書き出し」の項目でお伝えした”Thank you for ~”の表現に“again”を加えると「あらためて」というニュアンスが追加されます。

メールの冒頭で感謝を表していても、「まだ感謝を伝えきれない!」という姿勢をメールの相手に伝えるときに有効な締めの一言です。

「結び」:英語メール特有の表現

英語 メール

SincerelyとRegardsの使い分け

ビジネス英語に限らずとも、英語のメールでは必ず結びの言葉を最後に添えます。
主に使われるのはSincerelyRegardsで、どちらも日本語でいう「敬具」に近い表現です。

ビジネス英語では”Sincerely,”を使うと間違いないのですが、どんな場面でも使い分けられるように、2つの使い分け方を詳しく見ていきましょう。

なお、結びの言葉の直後に”,”(コンマ)を入れることと、署名としてご自分の名前や所属を書くのを忘れずに!

Sincerelyを使う場合

・Sincerely,

ビジネスで頻繁に使用される結び言葉です。迷ったときはこの結び言葉を使えば失礼はありません。
直訳すると「心から」という意味。

・Sincerely yours,
“Sincerely,”よりさらにフォーマルな結び言葉です。
“Yours sincerely,”という表現も見られますが、これは主にイギリスで使われる表現です。

大切なお客様にメールする際はこの結びがふさわしいでしょう。

この表現はもはや定型文なので直訳するのは難しいですが、あえて訳すなら「あなたのものである私より心を込めて」というような表現です。

Regardsを使う場面

・Regards,

ビジネスシーンでも友人相手でも使用できる結び言葉です。
ただ、Sincerelyと比べると少しカジュアルな表現なので、ビジネスで使う場合はある程度親しい相手のときが良いでしょう。

Regardsの意味は「心遣い、敬意」ですので、結びで使うと「敬意を込めて」という意味になります。
さらに、”best”や”kind”、”warm”などをregardsの前に加えるとさらに親しみ具合が増す表現になります。


・best regards:「最上の敬意を込めて」
・kind regards:「思いやりと敬意を込めて」
・warm regards:「温かい気持ちと敬意を込めて」

意外と細かい違いのあるメールで結びの言葉。
しっかり使い分けている人は、「ビジネス英語を理解しているな」と、一目置かれる存在となれるはず。

一度覚えておけばどんなメールでも対応できる言葉なので、積極的に使い分けていきましょう。

まとめ:ビジネス英語は例文テンプレート

英語 メール

ビジネス英語におけるメールの書き方、いかがでしたでしょうか?

今回のポイントをまとめると、英語メールの書き方は下記の5つの構成を意識すると、労力軽減・時間短縮となり、かつメールの相手からも分かりやすい内容になります。


・件名
・書き出し
・本論
・締めくくり
・結び

そしてここまで読んでいただいた方はお分かりのように、この構成を基にして、メールの文章のうち80%以上は、今回の例文を使った定型の書き方で対応することも可能なのです。

でも英語力向上のため、できるだけコピペは控えましょうね。
ご自分の英語表現として定着すれば、コピペするより早くなる上に表現の幅も広がりますし、何よりメール相手への心遣いが伝わる文章になるはずです。

いつでもどこでもやり取りのできる便利なメールだからこそ、ご自分の個性を醸し出して、相手への気持ちを表せるような文章の書き方に慣れてみてください。

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