急に英語が必要になり、そう考えた社会人が勉強を始める際に必ず通るもの。
それは「ビジネス英語」というキーワード。
「社内のネイティブと流暢に喋る」
「スカイプで海外の担当者とやり取りする」
「プレゼンを英語で颯爽とこなす」
「海外に出張した際、現地でイニシアチブをとる」
ビジネス英語といえばこんなイメージでしょうか。英語の勉強に自信がない方にとって、ビジネス英語を習得して上記の例のように活躍するなんて、どれだけ勉強すればいいのか分からないくらい、途方もない道のりに感じるでしょう。
でもちょっと考えてみましょう。
ビジネス英語ができる人たちは、はじめから「ビジネス英語」だけを勉強してきたのか。
そもそも「ビジネス英語」って何なのか。
その定義を納得できるレベルまでしっかりと紐解き、実際にビジネス英語をどう勉強すればいいか。
海外の省庁とのやり取りもこなす純日本人の英語トレーナーである私が、ビジネス英語に対するマインドと、その勉強法について順を追ってお伝えします。
「英語を勉強しなきゃヤバイ!でもどうやって?」
そんな社会人の方々にこそ、ビジネス英語を勉強する前にぜひ読んでいただきたい内容です。
ビジネス英語をマスターして、一つ上のクラスで活躍していきましょう!
目次
改めるべき「ビジネス英語」に対する3つのマインド
ビジネス英語は「難しい英語をマスターすること」ではない
「ビジネス英語」と聞くと、どうしても「英語のレベルがとても高く、国内外問わずバリバリ活躍しているビジネスパーソン」というイメージが浮かんでしまいます。
それ自体が間違いというわけではありません。
しかし、いきなりそのレベルになるまで英語を勉強しろと言われても難しい話です。
英語の勉強を始める前に、ビジネス英語の定義を調べてみましょう。
アメリカで150年続いている辞書業界では老舗の”Merriam-Webster”社の辞書サービスによると”Business English”の意味は、
①文法的な正しさ・礼儀正しさ・スペル・句読点・ビジネス対応にふさわしい形式を重視する文章
②非英語圏の国々で教えられている英語のなかでも、商業のために使う言語であり、また限られた語彙で流暢に会話することを目的とした英語
と記されています。(意訳あり)
(https://www.merriam-webster.com/dictionary/business%20Englishより引用)
このことから分かるように、ビジネス英語を勉強する際に、英語スピードの速さや語彙力の多さを極めるような難しい勉強をする必要はありません。
むしろ「英語の基本をしっかりと押さえて、限られた語彙でも通用すること」が、「ビジネス英語」を勉強する上で必要なマインドなのです。
ビジネス英単語は必ずしも必要ではない
繰り返しになりますが、限られた語彙で会話できればいいので、ビジネス英語の単語テキストを全てマスターするまでわざわざ勉強しなくてもいいのです。
そのテキストには、生涯に一回使えばいいような単語もあるはずです。
もちろん、いくら限られた語彙といっても、業務や業界によって難しい単語が頻出する場合は、調べたり覚えることは必要ですが。
なにが大切なのかというと、日常のビジネスシーン(日本)において、ご自身がで使っている単語や言い回しを、英語でも自然に使えるように勉強することです。
そして、普段の仕事で使っている日本語を振り返ってみると、そこまで難しいものはないことがわかると思います。
「スクールでしかビジネス英語が学べない」わけではない
ビジネス英語を勉強すると思い立った場合、「独学では無理、スクールに通わないと…」と考えていませんか?
実は、そんなことはありません。基礎をきちんと積み重ねることができれば、独学でもビジネス英語を十分身につけることが可能です。
確かに、ある程度勉強を重ねてきた英語レベルを、「ビジネス英語」にシフトする際は、専門の英語スクールが有効です。
ただし、あくまで基礎がしっかりできいることが前提です。
基礎ができている状態で、ネイティブと話したり、プレゼンや面接の勉強をすることは効果的です。
逆に、基礎ができていない状態では、せっかくのスクールもお金と時間の無駄になりかねません。
ビジネス英語にとっても、とにかく大切なのは「英語の基礎をしっかり勉強する」ということ。
ビジネス英語の習得を目的として、これから勉強を始める方、もしくは始めたばかりの方は、まずは英語とは何たるかの基礎を固めることが、実はビジネス英語習得への近道なのです。
社会人がビジネス英語を勉強するときのコツ
まずは中学英語レベルの基礎を作る
ビジネス英語の勉強に欠かせないのが、「5文型」をしっかり理解することです。
上記の英語の定義でも出てきたように、ビジネス英語の勉強で重要視すべきなものが「文法的な正しさ」です。
日常会話であれば、例えば夕食を食べたい場合に”dinner, dinner!”と単語だけを言っても通じます。
しかし、ビジネス英語の習得を目標に失礼のない英語を勉強するのであれば、5文型にのっとって”I want to have dinner “(もしくは丁寧にI would like to have dinner)と、主語・動詞・目的語を欠かさず勉強しましょう。
ここで5文型をおさらいしておきます。
(1) SV: 主語+動詞
(2) SVC: 主語+動詞+補語
(3) SVO: 主語+動詞+目的語
(4) SVOO: 主語+動詞+目的語①+目的語②
(5) SVOC: 主語+動詞+目的語+補語
そして、5文型の構成を勉強する際に重要なのは、動詞への意識です。
(1)~(5)を見てみると、どの文型にも「動詞:V」が含まれています。動詞が他動詞か自動詞か、時制はどうか、助動詞はついているかなど、動詞の変化によって文章の構内容も変化します。
ビジネス英語の勉強を進める際には、動詞に対して強い意識を持っておくとビジネス英語の習得がより近いものになります。
「小難しい英語」ではなく「伝わる英語」を心掛ける
ビジネス英語のことを「難しい英語」だと考えて勉強している人の英語は、文章や表現などが自然と難しくなりがちです。例えば、難しい単語を使ったり、関係代名詞や接続詞を駆使して文章が長くなってしまったり。
契約書の書面のように、難しい単語や長い文章が好まれる場面は確かにありますが、そういったケースは限定的です。
たとえビジネス英語であっても、シンプルな英語を心掛けながら「相手にどう伝えるか」を意識しましょう。そして、シンプルな英語の為に大切なものが、先ほどでてきた5文型。
英語は3語で伝わるといった書籍が有名ですが、意識としては正しい考え方です。日本語でも一つの文章を長々と話されるより、簡潔な文で伝えられる方が分かりやすいのと同じです。
継続的に勉強時間を作り出して習慣化を図る
ビジネス英語を習得することは、ご存じの通り一朝一夕ではできません。コツコツと日々の勉強を重ねていく以外にビジネス英語習得の道はないのです。
日本人が英語を習得するのに必要な時間は3000時間と言われています。個人差はありますが、これに近しい勉強時間を毎日の継続で積み上げていく必要があります。
忙しい社会人が勉強時間を捻出するためには、「スキマ時間」の活用が絶対です。
通勤電車、ランチタイム、トイレ、お風呂 etc…
それぞれで確保できる勉強時間は多くないかもしれませんが、合計したら1日1時間以上の勉強時間を確保することは不可能ではないはずです。特に通勤電車のように、日々決まっているルーティンの時間からビジネス英語のために勉強できる時間を作り出し、それを継続していきましょう。
人が習慣化するのに必要な継続日数は、21日だそうです。
だまされたと思って、ビジネス英語のための勉強を1日10分ずつでもいいのでスタートしてみてください。
そして苦しくとも21日間続けてみてください。
たったそれだけで、ビジネス英語習得への道が今以上に確実なものになるのです。繰り返しますが、ビジネス英語でも日常英会話でも、日々の勉強の積み重ねが必要不可欠なのです。
実践!ビジネスシーンでの表現方法
ビジネス英語のための丁寧表現のカギは助動詞だ!
これまではビジネス英語を勉強するための基礎と、その環境づくりについてお伝えしました。
ここからはちょっとした勉強ですぐに使える「ビジネス英語実践編」です。
まずはビジネス英語の定義でも出てきた「礼儀正しさ」について勉強しましょう。
「英語ではストレートな表現が求めらる」
「だから敬語は存在しない」
こんなことを聞いたことがある方がいるかもしれません。
ご存じだとは思いますが、この考え方は誤りです。
続いて、この考え方はどうでしょう?
「pleaseを付ければ丁寧表現になるんでしょ?」
確かに”give me”より”please give me”の方が丁寧ではありますが、突き詰めればどちらも命令形には変わりありません。したがってpleaseを付けたとしても、ビジネス英語としては適切ではありません。
そこで、ビジネス英語の勉強で重要なポイントをお伝えします。
ズバリそれは「助動詞」であり、まずビジネス英語としてはじめに勉強すべき助動詞は”would”と”could”です。
この2つを混同して覚えている方もいるかもしれませんが、それぞれ使い分ける基準があります。
違いについて細かく勉強していきましょう。
would:
・助動詞willと同じく、コアな意味は「意思」
・助動詞willとの違いは、時制を過去にずらしたことによる婉曲表現
・wouldのポイントをあえて日本語にするなら「もしご意思があるとしたら~」
could:
・助動詞canと同じく、コアな意味は「可能性」
・助動詞canとの違いは、時制を過去にずらしたことによる婉曲表現
wouldとcouldの違い:
“Would you send me an email?”
「(もしご意思があるとしたら)私にメールをお送りいただけますか?」
→意思があることを前提としているので、Yesという返答を期待しているケース。
“Could you send me an email?”
「(もし可能性があるとしたら)私にメールをお送りいただけますか?」
→返答がYes・Noどちらの可能性もあるので、お伺いを立てるケース。
シンプルに言えば、wouldは丁寧ながらも期待感を醸し出す場合、couldはお伺いやお願いをしたい場合に使うことができます。
ビジネス英語において、この2つの助動詞の勉強は避けて通れません。
wouldとcouldをどんどん使っていき、「極めた!」と言えるくらいまでしっかりと勉強していきましょう。
覚えておくと使える、メールでの鉄板フレーズ
そしてさらに、小難しい勉強をしなくともすぐに使えるビジネス英語フレーズを、wouldとcouldを使ってお伝えします。
・would like to [動詞]:「[動詞]させていただきたいです」
(例) I would like to ask your opinion. 「あなたの意見を聞かせていただきたいです」<
・would appreciate [名詞]: 「[名詞]していただけましたら幸いです(感謝させていただくつもりです)」
(例) I would appreciate your cooperation. 「ご協力いただけますと幸いです」
・If possible, could you ~ ?: 「もし可能なら~していただけますでしょうか?」
(例) If possible, could you tell me the reason? 「もし可能なら、理由を教えていただけますでしょうか?」
上記は、特に英文メールなどのビジネス英語でお使いいただけます。
使うことが勉強に繋がりますので、ビジネス英語の勉強だと思って、日々どんどん使っていきましょう。
ビジネスで成功するには「失敗」と「下準備」が必須
ビジネス英語を勉強するにあたり、仕上げに必要なのはマインドセットです。
言語において「失敗」することは成長に欠かせない要素です。
しかし、ビジネス英語を勉強する社会人の皆さんにとって、ビジネス英語での失敗は、仕事に直結することが多いので、もちろんできるだけ失敗は避けたいはず。
その為、失敗の発生を予防するために、「下準備」をしっかりしましょう。当然かもしれませんが、とても大事なポイントです。
この下準備には、前もってビジネス英語を勉強しておくことも含まれます。
それ以外には、資料作成・プレゼンの練習・商談内容の想定など、ご自身がこれまでにやってきたお仕事の経験を活かし、ビジネス英語を使う場面では日本語で行う以上の時間と労力を掛けて対処・勉強していきましょう。
ただし、頭に入れておかなければいけないことが、どれだけ勉強しても下準備しても、残念ながら失敗は起こり得るということ。
でもそれがその先の成功に繋がることもまた、間違いではありません。
たとえ失敗しても、しっかりビジネス英語を勉強していれば、その積み重ねはあなたを裏切りません。
山があっても谷があっても、コツコツと勉強を重ねていき、あなたが理想とするビジネス英語のレベルまで到達できるよう頑張りましょう!
勉強するならコレ!おすすめの学習教材
ビジネス英語用の本/テキスト
・英会話ペラペラビジネス100
まずビジネス英語のフレーズを勉強するならコレがおすすめ。
簡単な言い回しが多く使われており、またその言い回しを表現を変えながら繰り返し使っているので、どんな場面で使うべきフレーズなのかがイメージしやすい内容です。
・英会話1000本ノック<ビジネス編>
上記テキストと同じ著者が書いた、いわば実践編のテキスト。
ビジネス英語のみならず、あらゆる場面での英語をアウトプットにより勉強できる優れもの。
タイトルの通り1000本の英文のトレーニングができるので、勉強に飽きが来ません。
ビジネス英語用アプリ
・VOA (Voice of America)
アメリカのニュースメディア”Voice of America”が提供するアプリ。
同メディアは「アメリカの声」を世界に発信するメディアのため、英語レベルは他のメディアに比べると易しめなので勉強用アプリとして有効。
ビジネス英語を伸ばすために時事の勉強もあわせて行いたい方におすすめです。
・TED
言わずと知れた世界の様々なプレゼンが見られるサービス。もちろんアプリも完備されており英語学習に活用できる要素が満載です。音声のスクリプトを使いこなせば、ディクテーションやシャドーイングなどの幅広い勉強方法が確立できるでしょう
ビジネス英語用ウェブサイト
・DMM英会話なんてuKnow?
ビジネス英語を含め、ありとあらゆる英語表現を勉強できるサイト。これは本当に勉強になります。
知りたい英語表現を書き込むと、ネイティブや英語学習のプロたちが教えてくれます。
ビジネス英語の勉強になる映画
・マネーボール
アメリカのメジャーリーグを舞台に、ビジネス的観点で弱小だったチームを強豪に変えていくゼネラルマネージャーを描いたノンフィクション作品。上司と部下のやり取りが多いため、ビジネス英語を勉強した気分になれる(個人差あり)。
つまるところ、勉強の気分転換にどうぞ。
まとめ:ビジネス英語も基礎から
仕事で使うからこその「ビジネス英語」。
繰り返し述べているとおり、ビジネス英語こそ「基礎が大切」です。
英語の基礎たる5文型をしっかり把握した上で、シンプルに伝える英語を組み立てること。
ビジネス英語の極意は、この点につきます。
ビジネス英語は決して難しいものではありません。
まずは、ビジネス英語に対するマインドを変えていきましょう。
また、ビジネス英語は、勉強の為の英語ではなく、「実践の為の英語」です。
実際に使う場面を想定して、ビジネス英語としてシンプルで正しい表現をきっちり学習していきましょう。
まずは、高まった勉強意欲を、継続に変えることから。
ビジネス英語習得の先の活躍が楽しみですね!
「英語が話せない」には
必ず明確な理由が存在する
日本人特有の
英語力の頭打ちを徹底解決する
LINE英語学習マガジン
多くの日本人が直面している「英語が話せない」という悩みの根本的な原因。 それは「話すこと」の大切さを無視してきた日本の英語教育、つまり受験英語にあります。 誰もが学生時代に苦労したであろう、単語の暗記・綺麗な和訳・難解な文法。 このどれもが「話すための英語学習」には何の役にも立ちません。 その証拠として、受験英語型の学習法でペラペラになった人は残念ながら存在していないのです。 この事実に薄々気づきながらも、学生時代の英語学習法から抜け出せない。 あなたもきっとその1人なのではないでしょうか? 私たちに必要なことは、受験英語型の学習法からいち早く抜け出して「正しい英語学習法」を身に付けること。 これを知っているのといないのとでは、英語の勉強効率に雲泥の差が生まれます。 イングリッシュベイ青山が発行する公式LINEマガジンでは、正しい「英語学習法」とその具体的な「実践手段」について全無料で解説しています。 勉強しているのに一向に英語が話せるようにならない。 学習に時間とお金を費やしているのに英語が身に付いていない。 そんな悩みを持ちながらも、 「それでもやっぱり使える英語を身に付けたい」 「短期間で実践的な英語をマスターしたい」 「1年後に英語がペラペラの状態になっていたい」 などといった想いを抱いているあなたに役立つ内容です。
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