「外国人上司にプレゼンすることになった」
「学会の壇上で発表することになった」
「大学で英語プレゼンする授業を取ってしまった」
同期から一歩リードできたり、次なるチャンスへと道がひらけたり、ポテンシャルを秘めたスキル。
それが英語でのプレゼンテーション。
ただ、日本人の多くがそのスキル習得は簡単ではないと思っているでしょう。そして皆がそう考えている分、英語のプレゼンスキルを習得できれば、あなたにとっての躍進や勝機のきっかけを与えてくれるはず。
「英語のプレゼンは難しくない!」
そう思えるように今回は、アメリカの大学でビジネス学を専攻し、在学していた4年半で英語でのプレゼンテーションスキルを習得した私が、英語プレゼンのコツと練習方法をお教えします。あなたの人生を変えるスキル習得へのコツを一緒に見ていきましょう。
目次
ビジネス英語式!ロジカルなプレゼン構成のポイント
文章作成とプレゼン構成
まずはプレゼンで使う英語の文章について考えてみましょう。
「プレゼンの場といえば、かしこまったイメージ。」
そう思われている方は、そのイメージに合わせて、英語の文章もある程度難しい単語や表現を使わないといけないと思っていませんか?
英語のプレゼンにおいて、この考えは必ずしも正しくはありません。
優れた英語プレゼンが見られる”TED”からも分かるように、簡単な英語表現を使っているにもかかわらず、印象的で人気のある発表をされている方は少なくありません。
重要なのは、自分の英語レベルにあった英語表現を使うことで、母国語ではない英語だとしても、考えや想いが込められた「伝わる」プレゼンができるかどうかということ。
英語に自信がある方以外は、無理をして文法的・単語的に難しい英語表現を使う必要はありません。
ご自分に合わせたレベルの英語を使いましょう。
次にプレゼンの構成要素についてお伝えします。英語のプレゼンテーション作成には「型」があります。下記3項目がプレゼンを行うにあたり主流となる構成要素です。
①挨拶・導入:
プレゼンの内容となる提案、企画、理論のコアポイント説明
②本論:
コアポイントを支持する理由、根拠
③結論・まとめ:
コアポイントへの再言及、訴えかけ
それでは続けて各要素を詳しく見ていきましょう!
プレゼン構成:①挨拶・導入
まずは何より大事な、表情をつけた挨拶から始めましょう。
その表情によって聞き手はそのプレゼンの内容を推測してくれますし、そもそも第一印象は見た目の情報が半分を占めると言われています(メラビアンの法則:視覚55%、聴覚38%、言語7%)
ニッコリ笑えるような場面、シリアスな場面、プレゼンのシチュエーションは様々ですが、これから始まるプレゼンの内容を象徴する表情を心掛けましょう。
挨拶の表現は、
“Hello”
“Good morning”
“Good evening”
などの簡単な表現のあとに、「ご自分の名前」を続けて言えば大丈夫です。
次は、聞き手に向けて「これからどんなプレゼンを行うのか」を知らせる、導入ステップです。プレゼンを立案した背景や目的を伝え、そしてプレゼンのコアポイント(核心・トピック)となる自分の考え・スタンスを話します。
この「コアポイントの説明」を効果的に伝えられるかどうかが、英語プレゼンにおける大きな評価基準になります。英語の文章でいえば、例えばこんな感じです。
“I’ll give you some background on [コアポイント] and why it is important to you.”
コアポイントをしっかり伝えておかないと、このあとのプレゼンがどういう方向に向かうのか分からず、どこか「ふわっ」とした説得力の欠けた内容に聞こえてしまいます。
コアポイントを先に伝えるというのは、結論をきっぱり伝える英語らしい考え方ですね。
プレゼン構成:②本論
コアポイントを支持する理由、根拠を説明するステップです。
理由や根拠の数は、多くの場合は3個で十分。
並べる順番は「時系列」「優先順位」など、聞き手が自然な流れだと認識できる順番にしましょう。
それぞれの理由、根拠を述べる前に、英語では必ず“First, …. / Secondly, …. / Thirdly, … などと、その内容が本論の何番目のものかを聞き手に伝えます。
導入部分で伝えたコアポイントから、ズレやブレのない本論となるように、発表前はご自分だけでなく第三者に協力してもらい、客観的にプレゼン内容を精査してもらいましょう。成功確率をグンと上げるために、必要なプロセスです。
プレゼン構成:③結論・まとめ
導入で述べたコアポイントを、あらためて聞き手に伝えます。2度同じようなことを伝えることに抵抗感がある方がいるかもしれませんが、英語のプレゼンでは普通のことです。むしろそのプレゼンの軸がしっかりしていることを証明する部分ですので、しっかりとコアポイントの再言及を行いましょう。
最後は、プレゼンを聞いてくれたことへのお礼で締めて、質疑応答へと移ります。締めの言葉は下記のような表現なら、英語でもシンプルで使いやすいでしょう。
“Thank you for your time today. Does anyone have any questions?.”
質疑応答への対策は次の項目で!
英語の質問も怖くない!質疑応答対策
質問されたら良いプレゼンの証
ご相談にいらっしゃる方の中には、「百歩譲って英語でプレゼンするのはいいとしても、英語の質問に答えられないから質疑応答が耐えられない。」という方がよくいらっしゃいます。
しかし、興味のないプレゼンに質問する聞き手はいません。考え方によっては、質問をしたいほどにあなたのプレゼンに興味があるということです。
質疑応答対策の第一歩は、英語の質問に対する恐怖感を「感謝の気持ち」に変換するマインドを持つことです。
「自分のプレゼンを聞いてくれてありがとう!どんどん質問お願いします!」
こんな意識を持ち合わせていれば、英語のプレゼンでも堂々としているように見えます。
堂々とした態度は、プレゼンの説得力を向上させる材料となります。
この気持ちが定着すれば、質問があったときには自然とこんな英語が出てくるはずです。
“Thank you for asking me a question.”
質疑応答も堂々とした対応で臨みましょう!
奇抜な質問はほとんど来ない
質疑応答へのマインドセットが準備できれば、あとは英語の質問に答えられるかどうかの問題だけです。この問題に対しても、考え方で解決できます。
聞かれた質問が全く分からないほど英語力が低い場合は、リスニング力を上げることが先決ですが、プレゼンを終えて質疑応答までこぎつけられた英語力がある方でしたら質問を聞き取ることには恐らく問題ないはず。
そして繰り返しですが、質問する人はあなたのプレゼンに興味がある人です。
意地悪をするような突拍子もない奇抜な質問が来ることは、レアと言っていいしょう。
万が一、明らかに意地悪なレアケースに当たってしまった場合は、
“I am sorry. I am not ready to answer your question this time. Next question, please.”
と英語でお伝えして、さっさと次の質問に逃げてしまうのもテクニックです。
質問に対してしっかり返答するためには?
では興味を持ってくれた方に対して、しっかりと英語で返答するためにはどうすればいいでしょうか?
これはひたすらにプレゼンの見直しあるのみです。作り終えたプレゼンを何度も見直して、質疑応答で聞かれるような質問を予想しましょう。
「プレゼン構成③の結論・まとめ」でも書いたように、第三者にもチェックしてもらって、洗いざらい疑問に思う点を挙げてもらうと効果的です。
そう思われる方もいるかもしれません。しかし、英語でプレゼンをするということは、昇進や昇格など今後を占うような一大イベントとなる方が多いのではないでしょうか。
そんな重大なチャンスを掴めるか否かを考えたら、見直しに手間を掛けることは決して面倒なことではないはずです。むしろプレゼンの精度を上げるためには必要なプロセスです。
英語でのプレゼンを成功させるために、手間を惜しまずにしっかりと準備をしていきましょう。準備をすればするほど、質疑応答のハードルはどんどん低いものになっていきます。
「これだけで?」プレゼン評価を1.2倍増にする表現方法
最初の「導入」と最後の「結論」の整合性が肝心
「プレゼン構成」でも触れたように、英語のプレゼンでは特に、導入と結論の両ステップにおいてそのプレゼンのコアポイントについて伝えることが重要です。
両ステップで伝えることが「ブレている」と聞き手に感じさせないよう、プレゼンの最初と最後は必ず整合性が取れる発言にしましょう。
「ストーリー仕立て」で分かりやすく、そして記憶に残りやすく
ストーリー仕立てと言っても、フィクションのような物語をイチから作る必要はありません。プレゼンをするに至った「背景・課題発見・アクションプラン」などを時系列や優先順位などに沿って英語で発表ができれば、それは立派なストーリー仕立てのプレゼンになります。
なぜストーリー仕立てが重要かというと、それは人間の脳構造から由来しています。
人間は関係が薄いことをつなぎ合わせて覚えたり、理解したりする能力は高くないのです。
逆にストーリー仕立てのように、それぞれの要素に繋がりがあることの方が理解しやすいのです。
もちろんこれは、英語でも日本語でも同じことです。
プロットがしっかり立てられた小説に感情移入がしやすいように、あなたのプレゼンにもストーリー要素を組み入れて、感情や同情などをあおるような内容にしていきましょう。
「ドラマチック」に表情・身振り・抑揚を使う
プレゼンのスライドがどんなに素晴らしくても、どんなに英語が上手かったとしても、プレゼンを行う人の表情や身振りにエネルギーがなければ、効果的にアピールすることは簡単ではありません。
一般的な日本人からすると大げさだと思うほどに、英語を使うような方々は表情や身振りを最大限に活用しています。
「プレゼン構成①:導入」でもお伝えしたように「メラビアンの法則」では、対人影響の55%は、視覚による情報なのです。
聴覚による情報である「英語」はもちろん大切ですが、英語力を伸ばすには時間が掛かりますし、法則上では聴覚は視覚の影響力を下回ります。表情や身振りなどの視覚情報は意識次第ですぐにでも実行ができ、影響力も強いお手軽ツールなのです。
・顔の表情
・手を使ったジェスチャー
・スペースがあれば歩き回る
など、TEDなどで見るような英語圏のプレゼンは、演劇で行われる振る舞いに近いものがあります。ぜひ真似をしてみましょう。
また、体が動けば口も連動してよく動くようになります。
演劇の役に入り込むように、英語のプレゼンを行うときはいつものご自分とは一味違うような、ドラマチックなアクションを心掛けてみましょう。
着手から本番まで「成功するための」練習内容
スライド作りのコツ
プレゼンの立ち振る舞い方と同じくらい重要なのが、パワーポイントなどのスライドの作り方。スライドを作る際に気を付けるべきなのが、プレゼンを見ている側が見やすいように徹底して配慮をすることです。
よくあるのが、細かい文字がたくさん並んでいるスライドを作ってしまうことです。英語に不安があるためスライドを台本として使いたいお気持ちは分かりますが、残念ながら見ている側の集中を削ぐ原因となってしまいます。
英語では、スライド上の文章はもちろん図やグラフなどのことを、総じてvisual aid(視覚教材)と呼びます。
visual aidの”aid”は「援助・支援」という意味ですが、これは見ている側の理解を促進するための援助材料であって、プレゼン側が話す内容を覚えておくための援助材料ではないことを忘れないようにしましょう。
見やすいスライドを作るために心掛けることは、
・フォントの大きさは20ポイント以上
・タイトルの文字数は13文字以下
・図やグラフ、画像を多用する
まずはこれだけ押さえておくだけでも、かなり見やすいスライドになります。
スライドに載せるのは短い文章やキーワードに絞ること。また、英語力が低かったとしてもそれを補ってくれるような図や画像を使うこと。
そうすることで、プレゼンを見ている側の集中力を保つようなスライドになりますし、何より英語でのプレゼンに自信がない方でも比較的容易に、そして短時間スライドを作れるようになります。
素晴らしいプレゼンテーションをたくさん見る
プレゼン術を把握し、スライドを完成させたなら、準備完了まであとひと息。さらに効果的なプレゼンにするために、イメージトレーニングを行いましょう。英語プレゼンのお手本は、いまやインターネット上でたくさんチェックすることができます。
有名なプレゼンカンファレンスのTEDや、iPhoneを発表するスティーブ・ジョブス、”Yes, we can”と勝利宣言をしたオバマ氏のスピーチ、”I have a dream”から夢を語ったキング牧師の演説など、どれも検索したらすぐに閲覧できるプレゼンサンプルです。
キング牧師の演説の際には20万人以上が集まったと言われていますが、それほどの大人数を引き付けるプレゼンをいかにして行ったのか、ご自分で考えてみるのも良いヒントになります。
そしてプレゼンのスクリプト(原稿)をご覧いただくと分かりますが、よっぽどの専門用語は除き、彼らは難しい英語の言い回しや単語をチョイスしているわけではありません。
簡単な英語でも人を引き付けることはできるのです。むしろ簡単な英語を使う方が、万人から共感を得られる可能性が高いのです。
英語に自信がない方でも、ご自分の英語レベルを言い訳の材料にする必要はありませんし、むしろ「シンプルな英語を使える」というアドバンテージとして活用することができるはずです。
原稿や発表を見てもらってフィードバックをもらう
ここまで準備ができたなら、あとは第三者の目からプレゼンを評価してもらいましょう。
ご自分が「完璧!」と思っていることでも、他者から見たらアドバイスできることは意外に多い、なんてことはよくあることです。誰かに見てもらうのは恥ずかしいかもしれません。ただ、本番で失敗して恥ずかしい思いをすることと比べれば軽いものです。
英語の表現や、プレゼンの構成、スライドの見やすさなど、実際にプレゼンを見てもらった上でフィードバックをお願いして、本番までできる限りの準備をしていきましょう。
本番当日への配慮を忘れない
英語やスライド作成、プレゼンでの立ち振る舞いなど、練習や準備に集中してしまって本番当日に必要なことを忘れてしまうことは、意外によくあることです。
スライドを印刷した資料や、パワーポイントの動作確認、万が一トラブルが起こったときのバックアップ。
プレゼンをするシチュエーションによって配慮することは様々ですが、しっかりと準備してきたプレゼンを些細なことで不意にしないためにも、本番が使づいてきたタイミングで当日への配慮は忘れないようにしましょう。
まとめ
では今回のまとめです。
・英語のプレゼンを作るときは「型」にはめる
・質疑応答は「しっかり準備」すれば対策可能!
・ちょっとした意識の違いでプレゼン効果は「1.2倍」
・成功の秘訣は「他者目線」を持つこと
こういった点を押さえていけば、英語のプレゼンも怖くはない!ということをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
英語のプレゼンが上手い人は、何も初めから上手かったわけではありません。誰でも初めは初心者だったはずです。
英語プレゼンの経験が浅い方も、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。コツコツと経験を積み重ねて、英語プレゼンターとして周りに重宝される人材を目指しましょう!
「英語が話せない」には
必ず明確な理由が存在する
日本人特有の
英語力の頭打ちを徹底解決する
LINE英語学習マガジン
多くの日本人が直面している「英語が話せない」という悩みの根本的な原因。 それは「話すこと」の大切さを無視してきた日本の英語教育、つまり受験英語にあります。 誰もが学生時代に苦労したであろう、単語の暗記・綺麗な和訳・難解な文法。 このどれもが「話すための英語学習」には何の役にも立ちません。 その証拠として、受験英語型の学習法でペラペラになった人は残念ながら存在していないのです。 この事実に薄々気づきながらも、学生時代の英語学習法から抜け出せない。 あなたもきっとその1人なのではないでしょうか? 私たちに必要なことは、受験英語型の学習法からいち早く抜け出して「正しい英語学習法」を身に付けること。 これを知っているのといないのとでは、英語の勉強効率に雲泥の差が生まれます。 イングリッシュベイ青山が発行する公式LINEマガジンでは、正しい「英語学習法」とその具体的な「実践手段」について全無料で解説しています。 勉強しているのに一向に英語が話せるようにならない。 学習に時間とお金を費やしているのに英語が身に付いていない。 そんな悩みを持ちながらも、 「それでもやっぱり使える英語を身に付けたい」 「短期間で実践的な英語をマスターしたい」 「1年後に英語がペラペラの状態になっていたい」 などといった想いを抱いているあなたに役立つ内容です。
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