英語を勉強しても成長を実感できない、あるいは英語の勉強を始めようとするもどう手を付けていいか分からない。そんなときに皆さんはこう思ったことはありませんか?
「分かりやすい英語習得テクニックがあったらいいのに!」
でもそんなウマい話があるわけない?いえいえ、そんなことはありません。英語のみならず、世界には複数言語を習得したポリグロット(マルチリンガル)という人が少なからず存在し、彼らはポリグロット同士で交流をするときに「語学のテクニック」について話し合うのです。
今回ご紹介するTEDスピーカー、Sid Efromovichさんもまさにその一人。18歳になるころには4つの言語を操ることができたといいます。彼は、言語習得という高そうな壁を乗り越えるための習得テクニックをたった5つにまとめました。
もしこの記事をご覧になっているあなたが英語の勉強に行き詰っているのなら、今回ご紹介する「どんな言語でも学べる5つのテクニック」をチェックしてみるべきです。Sidさんのお話のなかから、ひょっとしたらお悩みを解決する糸口を見つけられるかもしれません。
それでは早速見ていきましょう!
目次
「どんな言語でも学べる5つのテクニック」
“5 techniques to speak any language”
「どんな言語でも学べる5つのテクニック」(14分50秒)
タイトル:“5 techniques to speak any language”
話し手:Sid Efromovich(言語学者・起業家)
(https://youtu.be/d0yGdNEWdn0)
【総合的な難易度】
易 ★★☆☆☆ 難
■ 英語の難易度
易 ★☆☆☆☆ 難
■ 英語スピード
遅 ★★★☆☆ 速
■ 話の内容の難易度
易 ★★☆☆☆ 難
トークの概要 「言語を半年で習得するためには」
(※英語力を鍛えたい人は、概要を読む前に動画を観ることをおすすめします。)
Sidさんは18歳になるまでに4つの言語を操ったと冒頭で書きましたが、その後3年間でさらに3つの言語を習得したといいます。中学高校の6年間を英語に費やし続けた私たち日本人からすると、もはや神がかった3年間のように感じられます。
若くして7つの言語を習得したSidさんに、周りの人たちは「どうやったら語学をそんなに習得できるのか」と、会うたびに質問を浴びせます。誰だって気になりますから無理もありません。
こんな質問攻めへの答えとして、Sidさんは3つの言語を習得したという3年間で培ったノウハウを凝縮したものを言語化しました。それが今回のTEDで話される内容です。
効率的に英語を学びたい人にとって、この内容は気になって仕方ないですよね。では本題の5つのテクニックに移りましょう。
5つのテクニックとは
その① “Make Mistakes”
まず始める前に、焦る気持ちを抑え、深呼吸してリラックスしましょう。
Sidさんは「僕たちは今まで生きていてずっと物事を『正しく』行う方法を教えられてきた」と言っています。特に受験勉強に代表するような日本の英語教育では顕著ですよね。
しかしSidさんは続けて「言語習得において最も大切なのは間違えること」と言い放ちます。それが第一のルール。
言語を学習するとき、私たちは単語・発音・文法などを「知っている」状態に変えていき、習得した知識を蓄積していきます。Sidさんはこの蓄積した知識を「言語データベース」と呼んでいます。
この言語データベースを使用するにあたり、「知っている」範囲でしか知識を使わなければどうなるでしょう。当然、蓄積量が大きく変わることはありません。
既存の言語データベースを超えてサイズを大きくするためには、「合ってるかな?大丈夫かな?」とある程度不安な状態に身を置き、正解を探し出す努力が必要です。
だからテクニックのひとつめは、間違いを必要以上に恐れないこと。このプロセスを乗り越えることで、言語データベースを書き換えて「新たな言語」という領域に到達できるようになるのです。
その② “Scrap the Foreign Alphabet”
2つめのテクニックはアルファベットに頼らない(解体する)こと。
字面からの情報だけでは「どう発音するか」というヒントがあまりないからです。Sidさんは英語のアルファベットやそれに近い言語のアルファベットを使い、他言語を知らないアメリカ人でも「何となく」発音できそうな単語を挙げていきます。やはりアメリカ人式発音は正解の発音とは微妙に違うものが多く、最後に挙げられた漢字の「火」はもちろん誰も答えられません。
この現象がアメリカ人英語の観点からだけのもの、というわけではありません。私たち日本人が英語の発音を学ぶとき、“though”と“thought”の発音が違うこと、あるいは“enough”というスペルが正しく、発音通りの“enuf”というスペルは間違いであることに疑問を持ったことに共通しているものです。
母国語のアルファベットや文字を他の言語に応用できない、というのはカタカナ英語が通じないという現象がまさに当てはまりますね。「何となく」の発音では、勘違いしたまま覚えてしまうのです。
では正しい発音を身に着けるためには、あるいは勘違いした発音を直すためにはどうすればいいでしょうか?それが次のテクニックです。
その③ “Find a stickler”
几帳面で間違いを見逃さず、見つけたら指摘してくれる人 (= stickler) 探し。それが3つ目のテクニックです。言語を間違ったまま覚えることは、時間の無駄でしかありません。
とはいえ、間違いを指摘されるのは誰でも気持ちがいいものではないですよね。だからstickler選びのコツは「学びたい言語をマスターしている人」を探すのではなく、「心置きなく間違いをさせてくれるような人」を探すことです。
既に関係性を築いている人であれば理想ですが、これから関係性を築けそうな人もいいでしょう。学習プロセスとしてしっかり間違いを指摘し、目標のレベルまで導いてくれるような人を探しましょう。
どの英会話スクールに通うか悩んでいる方は、こういった目線で先生をチェックすることも大切です。
その④ “Shower Conversation”
これまでのテクニックで、学習のマインドと環境を整えてきました。ここまで来たらあとは「練習」です。そのための4つ目のテクニックは「シャワー・カンバセーション」とSidさんが呼ぶもの。
読んで字のごとく、シャワーの最中に会話の練習をするという方法です。Sidさんが新しい言語を学ぶとき、シャワーに数分長めに入って1人2役の「シャワー・カンバセーション」を繰り広げていました。
中国語を習得するときは餃子を値切ろうとしたり、イタリア語のときはローマで一番美味しいピザ屋への道を聞いていたり。あまり馴染みのない練習法なので「変わってるなー」と思うかもしれませんが、意外と理にかなったメリットがありのです。
この「シャワー・カンバセーション」の素晴らしい点は、両者の会話を1人で演じるので、各役の知識ギャップを認識できるところにあります。例えば道を聞くのは簡単だけど、聞かれて教えてあげる側はどうでしょう?
もちろん、シャワー内で実施する必要はありません。どこにいてもできることなのです。
プロのスポーツ選手も同じことを行っています。そう、イメージトレーニングです。想定されるシチュエーションを何度もイメージをすること。そうすることによって本番で上手くいく確率を上げられるわけです。
その⑤ “Buddy Formula”
最後は「実践」のためのテクニック。相棒方式で言語を習得する、「バディ・フォーミュラ」です。簡単にいえば「カンバセーション・パートナー(会話相手)」を見つけること。
言語を習得する動機は、より多くの人と話し、その国の人たちへの理解を深めるために学んでいることが挙げられるでしょう。では自分が習得したい言語を操る人を相棒に据えることが1番の近道です。
もちろん相棒探しは簡単ではないので、オンライン上で探してみたり、その国に旅行をしてみて一時的な相棒を探してみたりするのもいいかもしれません。
この「バディ・フォーミュラ」でSidさんが実感したもう1つのメリットは、「共通言語で秘密の話ができる」ということでした。
Sidさんがドイツ語を勉強しているとき、同じ職場にドイツ語を話す言語バディがいました。その職場では英語とフランス語を話せる人は多くいましたが、ドイツ語を話せる人はレアだったのです。
公共の場でもプライバシーを守れる。どこでもプライベートな会話ができる。こんな思わぬ副産物に出会えるケースもあるかもしれません。
知っておくと便利な単語 5選
1. subsequent /sˈʌbsɪkwənt/
– adjective (形容詞):
following in time, order, or place
その次の, 続いて起こる
2. acquisition /`ækwəzíʃən/
– noun (名詞):
something or someone gained
獲得(物)、習得(物)
3. alternative /ɔːltˈɚːnəṭɪv/
– noun (名詞):
something which can be chosen instead
(ほかに)取りうる選択肢。方法。
4. notation /noʊtéɪʃən/
– noun (名詞):
the act, process, method, or an instance of representing by a system or set of marks, signs, figures, or characters
表記法。
5. revert /rɪvˈɚːt/
– verb (動詞):
to come or go back
帰る。逆戻りする。
知っておくと便利なフレーズ 5選
1. Let’s dig right in.
早速始めよう。
※dig in: (少し時間が掛かりそうなものに)取り掛かる。
2. It works great for me.
それは僕にとても役立った。
※work: 具合良くいく。効き目がある。
3. Because up to now, it’s great.
なぜなら今までのところ、それは素晴らしいから。
※up to now: 今までのところ、現在まで
4. So, let’s recap.
それでは要点を振り返りましょう。
※let’s recap: 要点を振り返ろう
5. As of now, it may all sound Greek for you.
現時点では、あなたはすべてギリシャ語として(しか)聞こえないでしょう。
※as of now: 現時点では
まとめ
それでは今回のまとめです。
【どんな言語でも学べる5つのテクニック】
1. 間違いを恐れずに「知らないこと」を知識に変える
2. 正しい発音のために母国語アルファベットの解体
3. 心地よく間違いさせてくれる几帳面な指摘者探し
4. 「シャワー・カンバセーション」でイメトレの実践
5. 「バディ・フォーミュラ」による会話練習
いかがでしたか?Sidさんは新しい言語を習得するたびに、新たな文化・海外の生活様式を学べる選択肢が広がることに感動を覚えると言います。
さらに言語習得の最も素晴らしい点は「自分自身について知れる点」と伝えてくれたSidさん。先行きが分からない時代を乗り越えるため、ブレない自分を手に入れるツールは、やはり英語であり言語なのでしょう。
みなさんもSidさんの「5つのテクニック」をもとに、まだ見ぬ新しい海へと漕ぎ出してみましょう!
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