「英語は、ゴールではなくツール」
こんな言葉を聞いたありませんか?この言葉の真意は「英語の習得をゴールとして目標にすべきではなく、何か他の目標達成のツールとして英語を活用すべきである」ということ。
英語の本質はコミュニケーションであり、もっと身近な言葉でいうと「会話」です。
しかし残念ながら日本の英語学習は、長らくマルとバツで判断する教育が用いられ、せっかく英語の勉強を始めても「英語を話して文法とか単語を間違えたら恥ずかしい」という気持ちを植え付ける【英語になると静かな人】発生装置と化してしまっています。
でも、日本語での会話を考えてみてください。会話の場面で自分の話す内容が文法的に合っているかなんて、あまり気にしないでしょう。それより大切なのは「相手に伝わっているかどうか」という、相手に対する気持ちのはず。
それはもちろん英語でも同じです。
今回お教えするTEDの内容は、まさにその内容をさらにかみ砕いて分かりやすく話したものです。きっとあなたの「英語苦手」を解決するきっかけになります。
それでは早速チェックしていきましょう!
目次
「語学を勉強してるの?じゃあ、ゲームをプレイするように話しなさい」
“Learning a language? Speak it like you’re playing a video game”
「語学を勉強してるの?じゃあ、ゲームをプレイするように話しなさい」(15分30秒)
タイトル:”Learning a language? Speak it like you’re playing a video game”
話し手:Marianna Pascal
(https://www.youtube.com/watch?v=Ge7c7otG2mk)
【総合的な難易度】
易 ★★☆☆☆ 難
■ 英語の難易度
易 ★★☆☆☆ 難
■ 英語スピード
遅 ★★★☆☆ 速
■ 話の内容の難易度
易 ★☆☆☆☆ 難
トークの概要① ピアノレッスン
(※英語力を鍛えたい人は、概要を読む前に動画を観ることをおすすめします。)
話し手のMariannaさんは、20年間マレーシアをメインに東南アジアの国々の人を対象に英語を教えてきた先生です。
そのキャリアの中で気付いたこと。それは、英語で話せる人は決して英語レベルが高い人だけではない、ということだそうです。仮に英語レベルが低かったとしても、英語を話せる人は世界中にいます。
英語が話せるか話せないかの違いは、英語に対する姿勢の違いだと言います。
たとえ話として、Mariannaさんの娘さんが習うピアノの話が出てきます。娘さんはピアノが大嫌い。ピアノを怖がってばかり。どうやらピアノのレッスンでミスをたくさんしてしまうのが原因のようです。
娘さんは、先生が弾くような正しくて綺麗なピアノの音を知っている分、「レベルが低い自分」というセルフイメージから生まれるギャップに嫌気がさしているみたいです。
さて、ここで「ピアノ」を「英語」に置き換えてみましょう。「ハッ」と息をのむ人もいるのではないでしょうか。
そうです。こうした負の姿勢が成長を妨げる原因なのです。こんな嫌な気持ちを持ったままだと、どれほど英語を勉強をしてもうまく話せるようにはかなりの時間と労力を要するでしょう。
ではどうすれば解決できるか。その方法を、Mariannaさんは偶然見つけたようです。
トークの概要② ゲーマーに見る英語学習のヒント
ある日、自宅のパソコンが壊れてしまったMariannaさんは、しぶしぶインターネットカフェを訪れます。たまたま隣に座っていた男性に目を向けました。何やら銃を使うシューティングゲームをプレイしている様子。
Mariannaさんはゲームについて詳しくないようですが、その男性の腕前は素人から見てもかなり下手。あまりの下手さからか男性の友人数名は席の後ろに立って、彼のプレイをずっと見ていました。
恐らくプレイを見て友人たちは笑ったり貶したりしていたのでしょう。しかし、ゲームをプレイしている男性は気にも留めていません。下手な腕前を恥ずかしがっている素振りもありません。何なら楽しそうに笑っています。それほど目の前のゲームに集中していたのです。
Mariannaさんはピンときました。彼女のキャリアの中で英語を上達させていった人は、まさにこの男性と同じ。たとえ英語のレベルが低くても、目の前の相手に集中して「言いたいことを伝える」という努力を実践していたのだと。
そういう人は、他人からの目を気にしません。自分が下手というセルフイメージも持ち合わせません。ただただ、目の前のことに集中・熱中・没頭することを大切にしています。
トークの概要③ 英語学習に大切なこと
英語は世界語とも言われますが、今や世界で行われている英語での会話のうち、96%に非ネイティブスピーカーが交じっているそうです。つまり、ネイティブスピーカー同士の会話は全英会話の4%しかないということ。
Mariannaさんはネイティブスピーカーですが、この数字を見て思うことは「もはや英語は私たちのものではなく、非ネイティブの人たちに属するもの」だと言います。
それだけ非ネイティブの人が活用する言語なら、何が正しい英語で、どうすれば綺麗な英語になるか、という考えも千差万別でしょう。英語を話すことにおいて、学校で習うような文法やスペルなどが「正か誤か」という小さな枠に当てはめる必要は全くないのです。
加えて、英語を話すときに正しさばかりに気を取られていたら、頭がシャットダウンしてしまうとMariannaさんは言います。「正しく」聞こうとして、「正しく」話そうとして、「正しく」表現しようする。こんなことは人の脳にはマルチタスクすぎて、全部できないのは当たり前。「正しく」できないからといって自信を失うことはないのです。
英語を学習するにあたって大切なのは、「英語はマルかバツかを問われる学問ではなく、ツールだと思うこと」です。パソコンやスマホもツールです。メールやアプリなどを使って、仕事でのやり取りや気分転換など、自分が求める結果を達成するためにこれらツールを使っているはず。そんな場面で、ツールの扱いが上手いか下手かを気にする人はほとんどいないでしょう。
英語も同じです。仕事やプライベートなど、自分が求める結果に集中し、英語をその達成のためのツールとして使ってみませんか?
そうしたら今まで抱いていた英語への苦手意識から、少しずつ解放されていくはずです。
知っておくと便利な単語
1. dread /drɛd/
– verb (動詞):
anticipate with great apprehension or fear
大きな心配や恐怖を予期すること
– noun (名詞):
great fear or apprehension
大きな恐れ、あるいは心配
– adjective (形容詞):
greatly feared
すごく恐い
2. screw up
– phrasal verb (句動詞):
contract, typically so as to express emotion or because of bright light
感情や眩しさを表現するために(顔などを)しかめる
completely mismanage or mishandle a situation
見事なほどに物事をしくじる
3. sales rep
– noun (名詞):
= sales representative
販売員、セールスパーソン
4. distinction /dɪˈstɪŋ(k)ʃ(ə)n/
– noun (名詞):
a difference or contrast between similar things or people
似ているものや人の間における違いや対比
5. integrator /ˈɪntɪɡreɪtə/
– noun (名詞):
a person or thing that integrates.
統合・集積・合体させる人、あるいはもの
※ITの世界ではソフトやハードの運用などを一括して請け負う企業「インテグレーター(SIer)」の意であり、工学の世界では「積分器」や「積分回路」の意。
知っておくと便利なフレーズ
1. I’m going to take you back about 10 years.
だいたい10年、さかのぼります。
(例を挙げるためにMariannaさんの娘さんの話をする直前)
※take back: 取り戻す、連れ戻す
2. I see a lot of you nod.
たくさんの人がうなずくのが見えます。
(理想の英語と自分の英語力との間に差を作っている話をした際)
※nod: うなずく
3. I discovered it quite by chance.
全くもって偶然によって、それを発見しました。
(別の例を挙げるために、インターネットカフェの話をする直前)
※by chance: 偶然に
4. It was a day when my computer broke down.
それは、私のパソコンが壊れた日のことでした。
(インターネットカフェに行かなければならない理由)
※It was a day when ~: それは~の日のことでした
5. Her eyes go all wide.
彼女の目は大きく見開いています。
(薬局でMariannaさんに声を掛けられる直前の販売員の様子)
※one’s eyes go wide: ○○の目が大きく見開く
まとめ
英語は難しいと考えている人が多いと思いますが、本当にそうでしょうか?それは英語に対してあなたがいつの間にか作り出してしまった、単なるイメージではないでしょうか。
今回のMariannaさんのトークは、まさにその英語学習者の「思い込み」を打ち砕いてくれはずです。
・英語を話すときには「自分の英語が他人からどう思われているか」なんて考えない。
・目の前の話し相手に「何とかして伝えよう」と集中する。
・英語は正誤によって点数を取るための学問ではなく、誰かとコミュニケーションを取るための「ツール」だと考える。
これができれば、学問としての英語レベルが低くても、誰かと英語で話すことは決して不可能ではありません。人によっては、このマインドが腑に落ちれば短期間で英語を話せるようになるでしょう。
「英語を話したいけど、やっぱり難しいよね…」
そんな風に諦める前に、英語を話すための正しい心構えを身に着けてみましょう。きっと今までとは違う世界が見えるはずです。
「英語が話せない」には
必ず明確な理由が存在する
日本人特有の
英語力の頭打ちを徹底解決する
LINE英語学習マガジン
多くの日本人が直面している「英語が話せない」という悩みの根本的な原因。 それは「話すこと」の大切さを無視してきた日本の英語教育、つまり受験英語にあります。 誰もが学生時代に苦労したであろう、単語の暗記・綺麗な和訳・難解な文法。 このどれもが「話すための英語学習」には何の役にも立ちません。 その証拠として、受験英語型の学習法でペラペラになった人は残念ながら存在していないのです。 この事実に薄々気づきながらも、学生時代の英語学習法から抜け出せない。 あなたもきっとその1人なのではないでしょうか? 私たちに必要なことは、受験英語型の学習法からいち早く抜け出して「正しい英語学習法」を身に付けること。 これを知っているのといないのとでは、英語の勉強効率に雲泥の差が生まれます。 イングリッシュベイ青山が発行する公式LINEマガジンでは、正しい「英語学習法」とその具体的な「実践手段」について全無料で解説しています。 勉強しているのに一向に英語が話せるようにならない。 学習に時間とお金を費やしているのに英語が身に付いていない。 そんな悩みを持ちながらも、 「それでもやっぱり使える英語を身に付けたい」 「短期間で実践的な英語をマスターしたい」 「1年後に英語がペラペラの状態になっていたい」 などといった想いを抱いているあなたに役立つ内容です。
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